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    おせち料理特集(重詰)
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お節料理制作の締めくくりは重詰ですね。
今年は昨年、実家の母が買ったお節料理のお重を譲っていただいたので
それを使っております。重詰のテクニック(色彩や空間把握など)も書きた
かったのですが少々時間が押して参りました。今日のところは完成版の
ご紹介のみとして年が明けたらまた書きます。
それでは、皆様よいお年を。来年も皆様に良いことがいっぱいあります
ように。

全体図
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一の重 『伝統的なお節料理』を中心に。
左列上段から栗きんとん、蒲鉾、黒豆、伊達巻き、数の子、〆サバ
右列上段から金柑の甘露煮、千枚漬けとビアソーの花束、鰤の照り焼き、殻付き海老のうま煮、クラゲの酢の物、里芋の揚げ煮 です。
二の重 『中華、洋風おせち』を中心に。
上段左から棒々鶏、海老チリ、白菜のシュウマイ、竜眼揚げ、鶏の鍬焼き
下段左から焼き豚、中華トースト、ローストビーフ、生春巻き、油淋鶏、豚ロースの甘酢炒め です。
重詰の手順とコツについて
おせち料理の重詰には元々沢山の決まり事があります。一の重、二の重、三の重、与の重に詰める料理が決まっていますし、料理の品数によって末広、隈切り、市松といった盛り付けの方式があります。が、昨今では料理が和食に限らないこと、お重の数も一段のみとか二段のみといった変則タイプもありなことを考えるとあまりそれに拘る必要もないかなと思っています。
そこで、あくまでも我流ですが我が家の重詰の手順とコツを書いていきたいと思います。

重詰のポイント
重詰をする際のポイントはズバリ見た目です。『調理』が如何に料理を美味しく仕上げるかに心を砕く作業であるのに対して『重詰』は如何に美味しそうに見せるかに心を砕きます。
その『美味しそうに見せる』要素は大きく二つあります。
色彩のコーディネート
空間のコーディネート
この二つのコーディネートを意識しながら重詰を進めていきます。

重詰の手順
重詰は以下の4つの手順で行います。その際、上で挙げた二つのコーディネートを意識していきます。
お重の数を決める
 一番最初にするのは何段のお重に詰めるか決めることです。といっても、どこの家庭でも重箱がいくつも転がっているわけではないと思いますので、普通は家にあるお重の数で決まちゃうと思います。我が家の場合は今回は二段でした。

料理の一覧を書く
 意外と料理の総数が把握できていない場合がありますので、詰める料理の一覧表を作りましょう。その上で各料理を何段目に詰めるかを書いていきます。どこに詰めるかというのは伝統的な方式に則っても良いですし、色彩重視でいくのもありです。我が家では一段目に『伝統的なお節料理を中心に』二段目に『中華、洋風おせち』を中心にとしました。
[一覧表の例]


レイアウトの設計
 で各お重に何品の料理を詰めるかが決まりました。上の例で言えば一の重には十二品の料理を詰めることになります。今回使ったお重には小分けにする箱が6つ付いていたので特にそうなったのですが、ざっくりと一つの小箱に二品づつ詰めていこうと決めました。小分けにする箱がない場合でも同じことでお重の大きさを計ってざっくりどの位置にどの料理を盛付けるかを決めていきます。この際、二つのポイントに注意して下さい。
色彩コーディネイト観点の注意ポイント
 同色系の料理が並ばないように気を付けます。たとえば栗きんとんと伊達巻きを同じ小箱に詰めるとお互いの色を喰い合って目立たないようになります。理想は補色関係にある色合いの料理を並べるのがベストですが、そうでない場合でもできるだけ料理の色がモザイクのように散りばめられる配置を考えてみてください。
[色彩コーディネイトに留意したレイアウト例](各マスの背景色が料理のイメージカラーです)

空間コーディネイト観点の注意ポイント
 料理の大きさが必ずしも重箱にフィットするとは限りません。理想は重箱のサイズに合わせて調理するのがベストですが食材によっては難しい場合もあります。そういった場合、とるべき手段は大きく二つに分かれます。
不均等に詰める
 よく真ん中にでっかい伊勢海老などが盛られていてその周囲を他の料理が取り囲んでいるといった盛り付けがありますが、あれなどはこの好例です。
料理を大胆にカットする

これは鰤の照り焼きの盛り付けですが幅1cmに切って更に半分に切っています。その上で突き立てる形でかなり強引に小箱に詰めています。この強引さは『大胆』、『豪快』に受け取られ易いので空間コーディネイト上非常に有効な武器になります。

重詰します。
 実際に重詰めしていきます。色彩コーディネイトはまでで済ませていますのでここからは主に空間コーディネイトに気を付けながら盛付けていきましょう。
 基本はで書いたレイアウト図に従って詰めていけば良いのですがちょっとしたコツをいくつか挙げておきます。
不定形の料理は後から詰める

これは栗きんとんと蒲鉾の盛り付けですが、形が決まっている蒲鉾を先に盛付けます。小箱に半分強詰めてから残りの空間を埋めるように栗きんとんのきんとんを詰めていきます。最後に栗をトッピングすればできあがり。ポイントは『隙間を作らないこと』隙間が空いていると何だか貧相な盛り付けに見えてしまいます。そのためにも不定形の料理で空間を埋めるようにして下さい。

窮屈に見えように詰める

これは数の子と〆サバの盛り付けですが、〆サバの幅はほぼ小箱の縦と同じ長さなので縦に詰めればきっちり詰まりそうな感じです。が、敢えて横に詰めて数の子と押し合いへし合いするような並びにしてみました。これはきんとんの例同様『隙間を作らないこと』を狙うのと同時に『並びが単調にならないこと』という狙いがあります。
お節には、蒲鉾、伊達巻き、〆サバなど平たい形の料理が多いのですが、これらの料理が全て同方向に詰まっていると全体として単調に見える場合があります。時には90度捻ってみてどちらが良いか見比べてみて下さい。

金柑やプチトマトなどの小物をアクセントに使う

お節料理とは直接関係のない小振りの食材を散りばめるだけでも色合いのアクセントになり見た目が単調になるのを抑止します。但し、やり過ぎるとうるさい感じになったり肝心の盛り付けのフォーカスがぼやけてしまいますので程々に^^;

重箱の四辺から溢れさせる

重箱の四辺から敢えて料理を溢れさせてみます。上の数の子も同様ですね。市販のお節料理では搬送の都合上蓋を閉じないといけないので絶対に真似できないレイアウトです。とかく正方形の空間に収まりがちな重詰のセオリーを破ることで大胆かつ豪快に見せることができます。重詰は決して平面的なレイアウトではありません、今流行りの3Dよろしく三次元的に大胆に盛付けてみましょう。

まとめ
本来、重詰にはいろいろな決まり事がありますが、それも美しく見せる、日持ちをさせるといった目的が根底にあって決められたことです。おせち料理の中身が多様化する今日では合わなくなってきている決め事も沢山あります。
伝統的な方式も勉強しつつ(情報はネットに溢れています)、ぜひ我が家の重詰を探求してみて下さい。
  

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