合鴨のオレンジソース漬け 難易度:★☆☆ 調理時間:3分 (ソースに漬け込む時間は含めていません) |
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数々の映画技術を確立して映画の父と呼ばれた映画製作者D・ W・グリフィスは元々舞台俳優でした。 彼が映画製作を始めたの は二十世紀初頭の映画黎明期。彼の下へはかつての俳優仲間 が何度も舞台に呼び戻しに来たとか。 「そんな子供のおもちゃみ たいなものをいつまで作っているんだ。シェークスピアは良いぞ。 芸術としての風格がある」 なんて言って。それに対してグリフ ィスは 「いや映画はまだ若い文化なんだ。やがて誰もが映画館 に行列を作るようになる」 と反論したとか。 大作「イントレ ランス」を彼が制作したのは1916年。それから70年後の1 980年代、ハリウッドは黄金時代を迎え誰もがスクリーンに熱 狂しました。彼が口にした反論は予言というよりも当たるべくし て当たる予見。彼にそれだけ先見の明があったということなので しょう。 似たようなムーブメントは芸術世界のあちこちで起き ています。夏目漱石も存命中に新聞社に「最近の若者は四書五 経も読まず、漱石や鴎外が書く『小説』のような悪書ばかり読んで いる」とやり玉に挙げられました。漫画の神様と呼ばれた手塚治 虫もPTAの謂われない排斥運動に巻き込まれました。いずれの 作品も今では名著、名作として多くの人に愛されています。 1 980年頃にはそのファン(=オタク)は犯罪者予備軍だとまで 疎まれていたアニメも市民権を得て今や世界中が熱狂するコンテ ンツに成長したのは記憶に新しいところです。 料理の世界でも たぶん似たことがあり続けて来たんじゃないかなと想像します。 今では当たり前になっている洋風おせちも登場した頃はさぞや 「こんなもなぁおせち料理とは呼べねぇ。日本の伝統文化をコケ にすんじゃねぇ」なんて息巻いた人がたくさんいたんじゃないか なぁ……なんて思ってネットでおせちの歴史を勉強してみたので すが実はそうでもないらしい。なんか意外。 洋風おせちの歴史 は意外に古く大正時代には女学校や主婦向けの料理教室で既に 洋風おせちが教材に取り入れられていたとか。たとえば「サンドイ ッチやチキンゼリーを詰めた洋風のお重」みたいな今見てもお洒 落な献立が教えられていたそうな。 なぜ「こんなの伝統的なお せちに対する冒涜だ」なんて意見があまり出なかったかというと 理由は簡単。そもそもこの時代にはまだどのお重に何を詰めると 言ったおせち料理のセオリーが確立していなかったかららしいの です。そういったルールが確立したのは戦後、高度成長期の頃。 仕掛けたのは百貨店。自分とこでおせち料理を売り込むためにせ っせとルールを決めていったらしい。 なんのことはない僕らが 伝統的なおせち料理と思っている様々なルールは単なる年末商 戦の産物に過ぎなかったようなのです。 なんか勢い込んで歴史 を紐解いてみたら肩透かしを喰った気分で脱力。反面、だったら お重に詰める料理はもっと遠慮なく自由であってしかるべきと思い まして2024年のおせちにはこんな料理を拵えてみました。 | |||||||||||||
(2人分) | |||||||||||||
・合鴨ロース(胸肉)のスモーク (市販品) [ソースパート] ・オレンジママレード ・白ワイン ・オレンジジュース ・ハチミツ ・白だし |
200g 大匙1+小匙1(28g) 140g(140ml) 50g 14g(小匙2) 12g(小匙2) |
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