ビーフカレーVer.3 難易度:★★☆ 調理時間:30分 |
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多くの小説家は自分の得意分野を持っています。司馬遼太郎なら 史実をベースにした歴史小説、池波正太郎なら剣客を主人公にし た時代小説や料理。近年なら近藤史恵のロードレースなど。 も ちろん、東野圭吾のように次々と新ジャンル、新テイストの小説 に挑戦するタイプの作家もいますが自分の得意分野で勝負する作 家が多いのも事実です。 数年前に亡くなられましたがミステリ ー作家、北森鴻(きたもりこう)の得意分野は料理と民俗学でし た。元々、大衆割烹で働いていたことがあるという経歴を活かし た彼が紡ぎ出す料理はどれも美味しそうで、肝心の謎解きはどう でもいいやと本末転倒なことを考えさせるほどでした(をい)。 短編連作集「メイン・ディッシュ」でもその料理の腕(?)は いかんなく発揮されていてヒロインの謎の同居人ミケさんが作る 1コイン、500円で作るカレーは「こっちにも寄越せ」と本に 向かって言いたくなるほど美味しそうだったな。 けどね、この カレーにはちょっとした恨みもあるのです。 このカレーのおい しさの秘密はソテード・オニオン──とろ火でじっくり2時間か けて炒めた大量の玉ねぎが甘みとほのかな苦味を紡ぎ出して風味 に奥行きを持たせているのです。 これを読んだ当時、真剣に2 時間かけて玉ねぎを炒めたものです。確かに美味しい──とは思 うのですが、やってらんない。その2時間があればもっと他のこ とができるんじゃないかなと思っちゃうのです。煮込み料理なら 火から離れさえしなければ他の用事を済ませることもできます。 けど、炒めるという調理はコンロの前に立ち続けなければいけま せん。できることと言えばせいぜい、観てなかった映画を鑑賞す ることくらい。僕はすっかり「旨いカレーを作るには手間暇かけ なきゃいけない」という呪いにハマっておりました。 過日とあ る金曜日、テレワークを終えて恒例のカレーを作りましょうと冷 蔵庫を覗くと牛肉が残っている。 「ビーフカレーが食べたい! 」 という衝動に突き上げられるのと同時に2時間の苦行が頭を よぎってげんなり。 ええぃ、手間ひまかけなくても美味しいカ レーを作ってやる! と挑戦したのがこのビーフカレーなのです 。 | |||||||||||||
(2人分) | |||||||||||||
・牛バラ肉スライス ・塩 ・ブラックペッパー ・オリーブオイル ・玉ねぎ ・エリンギ ・にんにく ・生姜 ・バター ・赤ワイン ・カレールウ [煮込みパート] ・水 ・トマト缶ダイスカット [仕上げパート] ・プレーンヨーグルト ・オレンジママレード |
200g 少々 少々 13g(大匙1) 1/2個 1本 ひとかけ スライス2枚 10g 適宜 1/4パッケージ分 300g(カップ1.5) 30g 20g 10g |
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