鰤の香味ソースがけ 難易度:★★☆ 調理時間:10分 |
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江戸時代の終盤、文化文政期(だいたい今から230年くらい前 )を舞台にした人情グルメ小説「みをつくし料理帖」にところて んの話が出てきます。 時は夏。料理人として雇われている蕎麦 屋の老店主と町に出たヒロインが出店でところてんを注文すると いうシチュエーション。彼女は老店主がところてんにかけようと しているものを見て驚愕します。 「何をかけてはりますのん? 」 「何って生醤油じゃねぇか。ところてんと言やあ生醤油と決 まってるだろ」 上方(関西)出身の彼女はふるふると首を振り ます。 「なんでぇ。上方じゃどうやってところてんを食うんだ ?」 訊ねる店主。 「上方ではお砂糖か黒蜜をかけて食べるも んだす」 本作にはちょいちょい江戸と上方での食文化の違い、 食の嗜好の違いがクローズアップされますがこれもその一幕です ね。 誰しも「これ(この食材)はこうやって食べるもの」とい う先入観を持っています。ましてやインターネットのない江戸時 代。よその土地の情報が一切入ってこない時代ならなおのこと。 多くの上方人は「砂糖をかけたところてんは良いお茶請けになる のう」と思い。江戸っ子は「夏場にキリッと辛い醤油で食べると ころてんはたまらねぇぜ」と思って生涯を過ごしたことでしょう 。 それからおよそ230年後の令和。インターネットが普及し た今でも僕らは「これはこうやって食べるもの」という先入観を 多く持っています。 たとえば鰤(ぶり)。過日、いつものスー パーに行くと厚切りのぶりの切り身に半額札が付いておりました 。「あ、おせち用のやつが売れ残ったのかな」と推測。もうお正 月も終わってしまったなぁとしみじみ思いました。 で、衝動的 にそのパックをかごに入れながら「今夜は照り焼き♪」なんて考 えていたのです。僕の中ではぶりの切り身は照り焼き。アラはぶ り大根にして食べるものという先入観がばっちり植え付けられて いたんですね。ところが…… いざキッチンに立ってぶりの切り 身と向き合った時に自問しました。 「本当にその食べ方しかな いのか?」 だってぶりという食材は和食の専売特許ではない気 がします。中国でだって食べるのでは? だったら中華料理の世 界でまさか照り焼きにするということもありますまい。 「この ぶりにはもっといろいろな食べ方があるんじゃないか?」 そん な思いに突き動かされてスマホを操作した結果──こんな料理に 出会いました。 なんかこうやって食材に対する視野が広がるの ってちょっと嬉しい。 | |||||||||||||
(1人分) | |||||||||||||
・ぶり ・塩 ・片栗粉 ・揚げ油 [香味ソースパート] ・白ネギ ・おろし生姜 ・濃口醤油 ・酢 ・ごま油 ・砂糖 |
1切れ 少々 適宜 48g(大匙4) 白いところ5cm ひとかけ分 12g(小匙2) 10g(小匙2) 4g(小匙1) 3g(小匙1) |
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