ひらたけのすまし汁 難易度:★☆☆ 調理時間:5分 |
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もしかしたら日本の多くの家庭がそうなのかもしれませんが僕の 実家では汁物と言えば味噌汁のことを指しました。日々の食卓に 上る椀の中には実は様々でしたが味噌で味付けしたいりこ出汁の スープが入っているものと決まっていたのです(両親の実家は四 国でなんでも出汁はいりこで挽くのが習わしな家でした)。 す まし汁が食卓に上ったことはついぞなく、あれはお祝い事などの ごちそうに付いてくる特別な汁物と勝手に思い込んでいました。 そういえばまるで料理はできなかった父も味噌汁だけは作れる ようでした。それくらい日常に浸透していた普段着のスープだっ たのだと思います。 そういう風に育ったので長じて社会人にな っても結婚をして家庭を持っても長らく僕はすまし汁を作ったこ とがありませんでした。というかなんか高級そうで自分で作れる とは思っていなかった節があります。 今更ですが当時の僕は「 すまし汁」と「お吸い物」を混同していたんですよね。僕が高級 そうと思い込んでいた懐石料理などに出て来る汁物は「お吸い物 」と呼ばれる料理で「すまし汁」とは別物。きちんとした作法が あります。 お吸い物の中に入れる実(具材)は椀種(主役)、 椀妻(相方)、吸い口(脇役(三枚目など))という3種類の役 割を持ったものがしつらえられる決まりで、スープというよりは 酒の肴として楽しむおかずとして供されるものです。料亭でもこ の椀物を作る椀方という職人は板場の花形でとっても難易度高 い調理技術が必要な役職なのです。 それに対してすまし汁は鰹 や昆布の一番出汁に塩や醤油で味付けしたスープというだけで特 に難しい作法は何もありません。身もふたもない言い方をすれば 鰹節で出汁を挽いて塩を振るか醤油を垂らせばできちゃいますの で味噌汁よりずっと簡単なのです。 ──なんて、知識を持つよ うになったのは横浜に単身赴任して本格的に日々の食事を自分 に賄うようになってからだったんじゃないかな。人間何事も他人事 であるうちは関心が薄く、いざ自分で作らねばとなって初めて興 味を持って勉強するものなのかもしれません。 とまれ、いまで は普段のランチでもわりと無造作にすまし汁をこしらえたりして います。味噌でごまかせない分、出汁の善し悪しがストレートに 味が決まる料理ですので良い出汁が挽けた日は気持ちが福福と して午後からの元気がむくむく湧いてくるのです。 | |||||||||||||
(1人分) | |||||||||||||
・ひらたけ [スープパート] ・鶏むね肉の煮汁 ・昆布出汁の素 ・塩 ・濃口醤油 ・レモン果汁 ・おろし生姜 |
2、3本 200〜250g(200〜 250ml) 小匙1/2 1g(小匙1/6) 6g(小匙1) 5g(小匙1) ひとかけ分 |
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