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     自由軒風カレー
難易度:★★☆ 調理時間:25分


 

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自由軒は明治43年に難波に開店した大阪初の洋食屋さんだそう
です。 ビフカツなどの洋食を格安で提供して人気を博したそう
ですがこの店の人気メニューはなんといってもカレーライス。け
ど、ちょっと普通のカレーライスとは違っているんですよね。
自由軒の「名物カレー」はカレーとご飯が最初から混ざった状態
で提供される『混ぜカレー』なのです。初めて食べた時の感想は
「カレー風味のリゾットみたい」なんて思いました。 たまに誤
解されていることがあるようなので断っておきますが大阪のカレ
ー=混ぜカレーではありません。大阪のカレー屋さんの大半は他
の地方と同様にご飯とカレーが分かれた形で盛り付けられて供さ
れます。混ぜカレーを出しているのは自由軒と他に数軒程度だと
思います。 ではなぜ自由軒のカレーは混ぜカレーのスタイルな
のか。その理由を知るには創業当時の店の厨房がどんなだった
か想像力を働かせる必要があります。 明治の頃と今ではご飯を
炊く道具が違います。当時は羽釜。今の炊飯器にはあって羽釜に
はない機能があります。それは──保温機能。 僕が子供の頃、う
ちで初めて買った炊飯器(あの頃は電気釜って言ってましたね)
にも保温機能はありませんでした。なのでご飯は炊けるけどあと
は冷めて冷や飯になっていくだけ。で、冷や飯を食べた経験のあ
る方ならわかると思いますがあれって冷たい上に水分が抜けて硬
いのです。 当然、開業当時の自由軒の厨房でもご飯は同じよう
になっていました。 「なんとかお客に温かいご飯のカレーを食
べさせてあげたい」 そんな思いから考案されたのがフライパン
でカレーをぐつぐつ煮てそこにご飯を投入。カレーと混ぜ込んで
しまうという混ぜカレーのスタイルだったというわけです。 店
の壁には夫婦善哉を執筆した織田作之助の写真を飾った額縁が
飾ってあって、その写真の周りにはこんな言葉が書かれています
。『トラは死んで皮をのこし、織田作死んでカレーライスを残す
』 実際彼は毎日のように自由軒に通ってカレーを食べていたと
か。保温機能の付いた炊飯器が登場して久しいですが変わらず
混ぜカレーのスタイルを貫く店の心意気が彼を魅了していたのか
もしれませんね。(あ、織田作が通った頃はまだ電気釜すらなかっ
たかw)
 (2人分)

 ・ご飯
 ・卵
 ・牛バラ肉スライス
 ・玉ねぎ
 ・牛脂
 ・トマト缶
 ・生姜みじん切り
 ・にんにくみじん切り
 ・(市販の)カレールウ

[カレーパート]
 ・白ワイン
 ・牛ダシタ
 ・濃口醤油
 ・水
[スパイスパート]
 ・チリパウダー
 ・ガラムマサラ
 ・オールスパイス
 ・カルダモン
 ・コリアンダー

2膳分
2個
50g
1/2個
6g(大匙1/2)
1/4個(約100g)
スライス1枚分
ひとかけ分
1/4箱(メタルインドカ
レーがおススメ)

15g(大匙1)
6g
6g(小匙1)
350g(350ml)

少々
少々
少々
少々
少々
1.  牛バラ肉は5mm幅の細切りにし、更に横に切って粗みじん切りにします。玉ねぎ、生姜、にんにくはみじん切りにします。
2. 冷たい鍋に牛脂を入れ中火にかけます。牛脂が融け始めたら牛肉、玉ねぎ、生姜、にんにくを加えてよく混ぜながら肉の色が変わって玉ねぎが透明になるまで炒めます。
3. 2.トマトを加えて2分煮込みます。これに[カレーパート]を加えてひと煮立ちさせます。更にカレールウと[スパイスパート]を加えて時々混ぜながら10分煮込みます。
4. フライパンに3.の半量を入れて中火にかけます。ふつふつと煮立ってきたらご飯を1膳分加えてよく混ぜながら1分煮込みます。
5. 4.を深皿に盛り付け中央をくぼませて卵を割り入れれば1人分のできあがり。同様にもう一皿作り2人分とします。
  
  • あんまり尖がっていないマイルドなカレーです。水分のあるカレーでご飯を煮こんでいるのでちょっとリゾットに近いテイストかな。
  • 正式な食べ方はひつまぶしのように三段階あるそうで1.まずは混ぜカレーのみ食べてスパイスの味を楽しむ。2.次に卵を混ぜてマイルドさを楽しむ。3.ウスターソースをかけて味変して楽しむだそうです。ま、堅苦しいことは言わず自由に食べれば良いと思います──自由軒だけに……をい。
  • それっぽく作るには使う市販のルウは今風のスパイス満載のものではなくメタルインドカレーみたいなちょっとレトロっぽいやつがおススメです。
  • 自由軒のカレーにはいくつか特徴があります。ひとつは「うすくち」と呼ばれるダシ汁を使っていること。恐らく牛骨ベースだと思うのですが家で作るには手間がかかり過ぎるので韓国の万能調味料「牛ダシダ」を使ってそれっぽく再現してみました。2つめの特徴は具材を少なくしてカレー自体の味を楽しめるようにしてあること。なので肉の量は少なめ、野菜も玉ねぎオンリーにしています。3つめはトマトで酸味を加えていること。これはお手軽にトマト缶を使ってみました。
  • 今では定番の味変ですがカレーにソースをかけるというスタイルも自由軒が発祥だそうです。いろいろと創意工夫が詰まった1品なのですね。ちょっと創業当時のお店を覗いてお客さんがどんな顔をしてカレーを食べているか見てみたいな。


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