カマスの塩焼き 難易度:★★☆ 調理時間:20分 (冷蔵庫で寝かせる時間は含めていません) |
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アメリカのジャーナリスト、マルコム・グラッドウェルが提唱し た言葉に「1万時間の法則」というのがあります。 「人が何か を習得するためには1万時間の練習が必要である」という説で、 スポーツにしろ芸能にしろ何かひとつことを極めるには1万時間 以上努力する必要があると彼は提唱しました。 1万時間ってど れくらい?──膨大過ぎてピンと来ない数字ですが1日3時間練 習するとして毎日休みなくそれを続ければ9.13年ほどで到達 する時間です。人生の長さを平均70年、子供の頃や老後を除い て実際に何かに没頭できる時期をその半分の35年(=就職して から定年退職するまでの時間)くらいとすればその1/4以上を ひとつことに没頭する計算になるわけで想像するだけでくらっと 眩暈がしそうですね。 この説には賛否両論あって「まさにその 通り」という人もいれば「そんなわけあるかい」という人もいま す。反対意見の論拠のひとつは「凡人が1万時間以上努力しても プロ野球選手になれやしないじゃん」というもの。全くその通り だと運動音痴の僕は思っちゃいます。けどその意見を肯定しなが らこんなことを言う人もいるんですよね。 「それでも一流のプ ロ野球選手は例外なく1万時間以上の努力をしている」 それも またごもっともと頷けてしまいます。 この「1万時間の法則」 に賛否両論が出る現象を科学的なアプローチで分析してみると 意見が割れる理由が見えてきます。それは──「何かを習得(極 める)」できたかどうかを判断する基準が曖昧なことに起因するの だと思います。 「何かを習得(極める)」できた基準が例えば プロ野球選手になれたかどうかならばこの説を否定する人の方 が多いでしょう。プロになれるかどうかは努力だけでなく最初に立 っているスタートラインがどこか(プロになれる資質を持ってい るかどうか)も大きく関係してきますから。 けれど「(1万時 間)努力する前の自分と比べたら格段に技術が向上している」と いう基準であれば賛成意見が多いのではないでしょうか(この「 格段」をもっと具体的に定義する必要はありますが)。この基準 ならば努力する前の自分のスタートラインがどこであったかは無 関係ですから。 そもそものスタートラインが自分とは違う他人 と比べて努力したことによる成果を大きい小さいというのは本来 無意味なことです。昨日の自分に今日の僕は勝つ! そのため には1万時間といわず何万時間でも努力する。というのがこの説 の本質じゃないかなと僕は思っています。 「カマスは背開きにし ます」 この料理を作るに際して参考にしたレシピの冒頭の手順 にそう書かれていました。なるほどなるほど──なんて思いなが らすすっと包丁を動かして背開きにしてワタを取りながらふと思 ったのです。 「10年前の自分はぜったいこんなことはできな かった」 気が付くと1万時間以上、僕は料理を続けていたよう です。 | |||||||||||||
(1人分) | |||||||||||||
・カマス ・塩 |
1尾 2g(小匙1/3) |
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