クルミの甘露煮 難易度:★★☆ 調理時間:5分 |
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高殿円の小説に「上流階級 富久丸百貨店外商部」というシリー ズ物があります。 デパートの外商に勤める女性をヒロインに据 えたお仕事小説なのですが、彼女が相手にする顧客がまさに 上流階級と呼ぶにふさわしい人たちなのです。 数百万もする ペルシャ絨毯をポンと買ってくれたり、孫の誕生日に世界的に 有名なパテシエの特製ケーキを発注したりする太客ぞろいなので すから。 作中、くだんのケーキの一件でヒロインは難題にぶつかります 。依頼をしてきたご婦人はヨーロッパで賞を獲った日本人パテシ エにケーキを特注したいというのですが相手のスケジュールが過 密すぎて予定が合わない。で、彼の弟子にあたる日本人パテシエ を勧めます。その弟子も最近ヨーロッパで新人賞を獲った新進気 鋭の若手だと。ところが 「わたしは世界一が良いの。弟子なん て論外」 とクライアントはけんもほろろ。ところがヒロインも 負けてはいない。 「彼は近々、帰国して新人賞を獲ったケーキ を5点だけ制作する予定です。そのうちの1点を入手する伝手が あるのですが」 と耳打ちする。するとクライアントは手のひら を返して「乗った!」と即答(いや、もっと上品な返事をするの ですが)。明らかにケーキの味はどうでもよくて、もっといえば 孫の誕生日というのも方便で単に集まってくる知人たちに 「こ のケーキは世界に5点しか制作されなかった特製ですの、ほほほ 」 と自慢したかっただけじゃん、という下心が透けて見えて、 なんかこの小母さん可愛いと嫌味なく思わせてしまうところは作 者の筆の妙です。 ま、これは雲の上の話ですがもっと僕らの身 近なところではおせち料理がまさにこれと同じ見栄の塊のように 思えます。おせち料理が今のように高級化したのは太平洋戦 争後、百貨店が売り出してからの話で、実は僕らがイメージする 絢爛豪華なおせちの歴史は1世紀にも満たないのです。けど 数十年もそれを繰り返していれば、「本当に高いお金を払う価値 があるの?」と疑問を持つ人が出てきて当たり前。僕自身、おせ ちを作り始めて十数年になりますが献立を考える度に高価な 食材を使う意義があるのか? という疑問にぶち当たります。 ということで今年はちょっと視点を変えて安い食材で作る美味しい おせちというのを探求してみました。 | |||||||||||||
(2〜3人分) | |||||||||||||
・くるみ(百均ショップで売って いるやつ) [調味料パート] ・はちみつ ・味醂 ・酒 ・濃口醤油 |
1袋(約50g) 22g(大匙1) 18g(大匙1) 15g(大匙1) 6g(小匙1) |
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