舞茸のお吸い物 難易度:★★☆ 調理時間:12分 (舞茸を冷凍する時間は含めていません) |
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今から115年くらい前の1908年のこと。東京大学の池田菊 苗教授が昆布からL-グルタミン酸塩の抽出することに成功しま した。これが世界で初めて「旨味」の正体が発見された瞬間です 。 それまでも料理人の間では出汁という概念が知られていて、 砂糖、酢、塩などの調味料を加えて味を付けるのとは異なる旨味 を料理に付加する技法がいろいろ編み出されていました。その旨 味の正体が化合物として解明されたことにより出汁を挽かなくて もその化合物を主軸とした調味料を使えば誰でも簡単に旨味の ある料理が作れるようになったわけです。 その調味料は早々に 工業生産できるように研究がすすめられ「味の素」という製品とし て発売されました。けど旨味調味料である味の素がそれから歩む 歴史は平たんではなく大正時代には「あれは蛇から作られている んだぜ」なんてまことしやかなデマが流布されたりもしたみたい 。2006年時点で味の素社が1年間で生産するアミノ酸の量は 100万トン超え──製造を工業化するということは生産量はそ んなスケールになるのです。大正時代の生産量はわかりません がその原料となる蛇が10匹、20匹で済むはずもなし。そんな大 量の蛇を毎年毎年どこで飼育してるねん──とちょっと真面目に ツッコみたくなる話ですw その後、「科学」や「化学」という 単語は輝かしい未来の象徴としてもてはやされた時代もあれば公 害問題がクローズアップされてネガティブに扱われた時代もあり ました。ちなみに化学調味料と味の素は同義に使われることもあ りますが正確には前者は一般名詞、後者は商品名です。更にち なみに化学調味料という言葉は特定企業の商品名を放送したら ダメだったNHKが作り出した言葉だそうです。 その後、1980 年代に美味しんぼが登場して化学調味料を徹底的に叩きました。 ただ読み返してみるとけっこう感情論で叩いていて科学的なアプ ローチがなされているとは言い難い。化学調味料を使えばL−グ ルタミン酸塩をはじめとする旨味成分を料理に付加できること、 それによって旨味の強い料理が作れること自体は歴然たる事実 です。 但し、これは化学調味料に限ったことではないのですが摂 り過ぎに注意する必要があります。過剰摂取すれば体にさまざま な弊害が出て来る可能性はありますし、何より旨味が強い料理に 仕上がると食べ過ぎて太っちゃうなんて弊害も危惧されます。 要は化学調味料は賢く使えば料理を美味しくする魔法の調味料 ではあると僕は思うのです。 ただ、化学調味料がなくても旨味を 挽きだす方法をいろいろ知っているとそれはそれで強い武器にな ります。ということで最近覚えたキノコから出汁を挽くコツを実 践すべくこんな一杯を作ってみました。 | |||||||||||||
(1人分) | |||||||||||||
・舞茸 ・昆布出汁 ・塩 ・濃口醤油 ・酒 |
半株 250g(250ml) 2g(小匙1/3) 3g(小匙1/2) 10g(小匙2) |
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