オクラとわかめのポン酢和え 難易度:★☆☆ 調理時間:5分 |
Tweet |
|
|||||||||||
浦沢直樹の名作「マスターキートン」は元SAS(英国特殊空挺 部隊)のサバイバル教程の教官が保険屋のオプ(探偵)に転じて 世界のあちらこちらで活躍する物語でした(彼は考古学者という 顔も持っていて本作を読んで考古学を目指した学生もいたと聞き ますw)。 同作の中にIRAの爆弾テロリストから自分が制作 した爆弾の解体を依頼されるというエピソードがありました。 依頼者は祖父譲りの爆弾制作の技術屋。「人生若いうちが華だ」 なんて孫に愚痴りながら最期は多くの人に看取られた祖父を誇り に思っていました。 そんな彼が一仕事終えてできあがった爆弾 を仕掛け人に引き渡した後、田舎のバス停でバスを待っていた時 のこと。バス停のベンチには一人の老人が先客として座っていま した。 「爺さん、長く生きてきていつが一番楽しかった?」 孫らしき子供が持ってきたチョコレートを旨そうに食べる老人に 向かって彼はきまぐれな質問を投げかけます。彼の眼には老人 がぼんやりと過去を懐かしんでいるように見えたのでしょう。けれ ど、老人の答えは彼の意想外なものでした。 「今だな」 老人 は躊躇いもなくそう答えたのです。 「今が一番面白い。自分を 可哀そうがっている暇なんぞ人生にはないぞ」 後日、はからず もその老人の葬儀に立ち会うことになった依頼主はその安らかな 死に顔を見て「人は天寿を全うすべきだ」と悟り、自分の仕事の 空しさを思い知って──かつて自分の爆弾を解体してテロを阻止 した主人公に先日作ったばかりの爆弾の解体を依頼するのでし た。 このエピソード、というかこの老人の生き方が僕はけっこう 好きで自分もこうありたいと胸に刻んでいます。 僕もあと半年 ほどで還暦。60年という時間はけっして短いものではなかった ですし、いろいろな思い出を持っています。ほぼ毎日のように居 酒屋のスツールを温めてこんな小鉢料理を肴に猪口を傾けてい た頃もありました。 けど、不思議と懐かしいとは思ってもあの頃 に帰りたいとは思わないんですよね。ま、そういう性分なのでし ょう。それにあの頃にひけを取らないくらい今の生活はやりたい こと満載で楽しいのです。 十年後、二十年後、天寿を全うする まで「人生で一番楽しい時期は今」を胸に生きていきたい──な んてちょっと感傷的なことを考えてしまいました。 ま、あの頃 食べた小鉢料理が恋しくなればいつでも自分で今、作れば良い だけの話。そのためにも忘れないようにレシピをメモしておきます 。 | |||||||||||||
(1人分) | |||||||||||||
・オクラ ・乾燥わかめ [調味料パート] ・ごま油 ・ポン酢 ・鶏がらスープの素 |
5本 ひとつまみ 6g(大匙1/2) 15g 小匙1/2 |
||||||||||||
|
|||||||||||||
|
本サイトの著作権は全てサイトマスターに帰属します。本サイトの転記は、ご遠慮願います。