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     蜆もどき
難易度:★★☆ 調理時間:20分


 

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二宮和也主演で映画にもなった東野圭吾原作の「プラチナデータ
」にこんな場面がありました。AIと工業用ロボットを使って名
人と言われる陶芸家が制作した壺をコピーしたら見分けがつかな
くなっちゃった……。 ま、あくまでお話だからと笑って済ます
のは簡単ですが案外絵空事でもない気が僕はしています。イマド
キの工業用ロットの精度はミクロン単位と聞きますしコンピュー
タで精密な情報を指示すれば職人が指の感覚だけで工作する作
業を凌駕するのはけっして夢でも幻でもないのです。 作中語られ
た「人の心」だの「芸術性」だのという抽象的な概念は脇に置いて
おけば人間国宝の手による壺でも所詮は工芸品。その工作
過程を数値化できさえすればロボットにも実現可能なのです。 過
日、江戸時代に爆売れした料理本「豆腐百珍」の復刻版を購入。
さっそく読み耽っているのですが再現するにはけっこう大きな壁
があることに気づきました。それは…… レシピが数値化されて
いない──。 調味料の分量が書いていない、調理時間が書いて
いない。「そこは勘と経験でよろ」てな感じ。 そうか、計量スプーン
もキッチンスケールもないあの時代は全てが目分量。キッチン
タイマーもないから茹で時間や炒め時間は料理の具合を見なが
ら目と耳で判断するしかない。なるほど料理を作るのに職人
芸が必要だった理由の一端がわかった気がします。 顧みてイマド
キのレシピブックは分量も調理時間も精彩に書かれていてそれを
再現するための道具も存在する。200年の時を経て料理は「科
学」に昇華したんだと思い知りました。だから工業用ロボットな
らぬ素人の料理人が作ってもかなり高度にプロの味が再現できる
んだなぁ。 ということで、豆腐百珍から1品「蜆(しじみ)も
どき」を選んで勘と経験でレシピを補いながら再現料理に挑戦し
てみました。
 (1〜2人分)

 ・木綿豆腐
 ・サラダ油
 ・揚げ油
 ・粉山椒
[調味料パート]
 ・濃口醤油
 ・酒

半丁(約200g)
4g(小匙1)
適宜
適宜

9g(大匙1/2)
10g(小匙2)
1.  豆腐をキッチンペーパーに包んで耐熱皿に入れ電子レンジの500ワットで2分チンします。キッチンペーパーを取り換えて(やけどに注意)ひっくり返したざるに置き上からバット、適当な重さの本などを置いて水切りをします。
  • このやり方なら10分ほどできっちり水切りできます。
2. 1.の豆腐を7mm角の賽の目に切ります。フライパンにサラダ油を入れて中火にかけこれに豆腐を加えて崩しながら3分ほどしじみサイズになるまで煎り付けます。並行して揚げ油を170度に温めます。
3. 2.の豆腐を温めた揚げ油に投入して2分素揚げし、かす揚げで引き上げてきっちり油を切ります。
4. 3.を2.のフライパンに戻して弱火にかけます。これに[調味料パート]を加えて水気がなくなるまで煎ります。火を止めて粉山椒を振ってよくまぶせばできあがり。
  
  • 見た目が──もはや豆腐ではない。なんかしじみの佃煮っぽい何の材料を使ったのか想像もつかない料理になっちゃっています。そして程よい醤油辛さが後を引いて箸が止まらない。これは江戸時代のスナックみたいなものじゃない? って思っちゃいました。
  • 江戸時代に大流行した料理本「豆腐百珍」に書かれた1品ですが正直舐めていました。一時期はやった「365日〇〇」のようにかなり無理やり感のあるレシピが並んでいるのではと思ったのですが駆使した想像力にはただただ脱帽。作者の豆腐料理にかける熱意が伝わってきました。
  • 原本には分量が書かれていませんので[調味料パート]はある程度当て込んであとは味見をしながら調整しました。正直少し分量を過ごすとダダ辛い皿になってしまうので慎重に味見しながら試してみてください。
  • おかずというよりは酒肴、おつまみにおススメの1品です。


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