タン塩レモン風豚丼 難易度:★★☆ 調理時間:20分 |
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飲み屋の客は何かとワガママで食いしん坊な人が多い──なん てのは今も昔も変わらない事情なのかもしれません。 ただ、今は 客と店の距離がちょっと離れてしまって言いたいワガママも言え ずに飲み込んじゃうなんてことが多いんじゃないかなという気が しています。 その点、昭和の頃は店主と客の距離がもっと近か った。気に入らなければずけずけ文句を言う客もいましたし逆に 気に入ればひいきにして足しげく通う。遠慮がない分客も店のこ とを親身に考えていたような気がします。だってそこは自分の居 場所。なくなったら一番困るのは自分ですから。 焼き肉の老舗 「叙々苑」が六本木にオープンしたのは1970年代。ある時、 店の常連のホステスがこんなワガママを言ったそうです。 「じ ゃあ、わたしレモンが好きだから。レモンを持って来てよ」 事 の発端は彼女がタン塩を注文したこと。その頃のタン塩は焼いた 牛タンに塩を振って食べるスタイルでした。けど、猫舌の彼女は 「焼き立ての肉を口にいれたら火傷するじゃない塩用のタレはな いの?」と文句を言った。けれど店には塩だれの用意がない。そ こで彼女が要求したのがレモンだったという。そのワガママに応 えてレモン汁を出しちゃうあたりは店主の気概ですかね。 「マ スター、これおいしい。合うよ。これタレにしたら?」 牛タン に塩とレモンの組み合わせがいたく気に入った彼女は歓声を上げ たとか。こうしてタン塩レモンは店のレギュラーメニューとなり 今ではどこの焼肉屋でも食べられる人気商品。「とりあえずビー ル」ならぬ、「とりあえずタン塩レモン」なんて言葉もありそう ですね。 実はタン塩レモンの発祥には諸説あるらしくてこの六 本木ホステス説はそのひとつに過ぎないとも言われています。け どドラマ性があって僕はこの話が好きだな。何より言いたいこと をはっきり言い合ってそこからより良い料理が生み出されるとい う関係性はとても好もしく感じます。 過日、豚ロースのスライ スが中途半端に残っていておかずにするにはちと寂しい量だった のです。ならば丼の具材にするかなと考えて醤油系の甘辛ダレで 豚丼に──と考えたところで思考にブレーキがかかった。 「こ れ塩レモンで食べても旨いんじゃね?」 そう何も塩レモンは牛 タンの専売特許じゃないのです。別に豚丼に使ったっていけない はずはない。てか、美味しいに決まっている! ということでさ っそく試作してみました。 | |||||||||||||
(1人分) | |||||||||||||
・ご飯 ・豚ローススライス ・玉ねぎ ・サラダ油 ・レモン果汁 ・粗挽きブラックペッパー [調味料パート] ・塩 ・中華スープの素 ・酒 |
1膳分 100g 1/4個(白ネギ10cm でも可) 4g(小匙1) 10g(小匙2) 少々 1g(小匙1/6) 小匙1/2 5g(小匙1) |
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