冬瓜の中華スープ煮 難易度:★★☆ 調理時間:25分 |
Tweet |
|
|||||||||||
ミステリー小説を書く上で作者が一番頭を悩ませるのは奇抜なト リックの考案などではなくこれじゃないかなと思う時があります 。 『どうやって読者に犯人を当てられないようにするか』 な んかメタな発言っぽく聞こえるかもですがラストにあっと驚く結 末が待っていないと読者にその本を壁に投げつけられるだけじゃ ありません。次から本を買ってもらえなくなるかもしれないので かなり切実な問題だと思うんですよね。 だからと言って最後の 数ページで登場した人物や読者がすっかり忘れていたような登場 人物を指して「お前が犯人だ」なんてやった日には壁にぶつける どころかその本は八つ裂きの刑に……いや、なんでもありません 。 あくまでも真犯人は最初の頃から登場していて読者の記憶に ばっちりとどまっている人物でなければ意外な結末は演出できな いのです。それを前提条件とした上で読者の目をそらす手法はい くつかあります。 最も古典的な手段は他に怪しい登場人物を出 してそちらに目を向かせることでしょうか。けど、ミステリーを 読み慣らした読者にはこの手はまず通じません。 「こんな怪し いやつが犯人のはずがない」 なんてひねくれたことを考えるの がミステリー読みの性なのです。いや、現実世界では怪しいやつ がたいてい犯人なんですけどねw やはり読者の目を逸らすのに 有効な手段は「そこにいるのに読者が無意識(あるいは意識的に )容疑者リストから外してしまう」ように仕向ける技法じゃない でしょうか。 たとえば判官びいきを逆手に取る手法。 村で誰 もがもてあましていた不良少年が都会へ出ていき二十年後に誠実 なサラリーマンになって帰郷する。が、彼を待ち受けていたかの ように村内で事件が発生。誰もがあいつが犯人だと指弾し、件の 青年が窮地に陥る。たった一人探偵役だけが「僕が君を救ってみ せる」と立ち上がる。が、真相は……やはりその青年が犯人だっ た。 この技法の巧いところは探偵役の言動は正しいという読者 心理を逆手に取っているところです。探偵役は最初から青年以外 に犯人がいる前提で動き始めるので読者は容疑者リストから青年 を外しちゃうんですよね。 あるいは「まさかこいつは犯人じゃ ないだろう」と勝手に思い込ませる手法。 古典ミステリー何度 か見かけましたが小学校に上がるかそこらの子供が連続殺人犯 なんてのはその最たるもののひとつだと思います。 で、何が言い たかったかというと冬瓜の話です。 夏になるとよく見かける野 菜ですが煮物にして食べるしかないと僕は思い込んでいて「汎用 性がないなぁ」と敬遠していたのです。生でも良し、焼いて良し 、煮て良し、揚げて良しなんて食材はごまんとありますから。 けど本当にそうなのか? 過日、安かったのでつい買ってしまっ た冬瓜を改めて疑いの目で見直してみました。本当にこの野菜は 煮物しか使い道はないのか──? それ以外の犯行は実行不可 能か?(って、犯行って何?) 読者自ら容疑者のリストから真犯 人を外させる──その企みが敗れた時点で作者の負け。一度そ の人物に疑いを向けた読者はあっという間に真相に気づいてしま うものです。 実はサラダにも、天ぷらにも、そしてスープにも冬 瓜は使えるじゃんと僕が気づくのにさほどの時間はかかりません でした。 | |||||||||||||
(1人分) | |||||||||||||
・豚肉(部位はあり合わせで ミンチでも可) ・冬瓜 ・茸類(今回はひらたけ) ・生姜 ・ごま油 ・水 ・中華スープの素 ・ホワイトペッパー ・水溶き片栗粉 ・卵 |
50g 1/4個を更に2cm分 切ったくらいの量 適宜 スライス1枚 4g(小匙1) 300g(カップ1.5) 6g 少々 9g分 1個 |
||||||||||||
|
|||||||||||||
|
本サイトの著作権は全てサイトマスターに帰属します。本サイトの転記は、ご遠慮願います。