梅しそ塩ラーメン 難易度:★★☆ 調理時間:2時間3分 (鶏チャーシューを作る時間は含めていません) |
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人間の歴史の中で「食糧を保存する」というのは飢餓との戦いに 勝つための必要不可欠な命題でした。 ただ倉庫を建ててそこに しまっておけば良いのなら話は簡単なのですがそのままでは食糧 は早晩腐ってしまうということを人間は経験から知っていました 。 なので食糧保存の歴史は腐敗との戦いの歴史とほぼ同義です 。科学的な理解が未開だった時代、その戦術はほぼ経験則とトラ イ&エラーの繰り返しから得られるものでした。例えば…… 温 度が低いところでは食糧の腐敗は遅滞するということを知って人 間は冷暗所や氷室に食糧をしまうことを覚えました。これがやが て冷蔵、冷凍の技術発展につながっていきます。 塩や酢に漬け ると食糧の腐敗は遅滞するということを知って様々な保存食が考 案されました。ただ長持ちするだけでなく梅干しやピクルスなど 元々の食材では得られなかった味を楽しむことも人間は覚えまし た。 逆の発想で食糧を生きたまま保存する方法も発見されまし た。ネギや大葉などは実は店で売られている段階でまだ生きてい ます。なので水に差して活けておけば光合成も呼吸もするし、成 長すらしながら腐敗を免れるのです。 つくづく人間って強かだ なぁと思うのはその「腐敗」すら楽しむことを覚えました。実は 発酵と腐敗は科学的には同義の現象です。それが人間にとって都 合が良い現象──つまり美味しい、お腹を壊さない現象を発酵と 呼んでいるに過ぎません。チーズや納豆で起きている現象は腐敗 (腐る)にほかならないのです。 食糧保存の歴史において科学 はいつだって後付でした。まず経験則から腐敗を遅らせる技法が 考案され、なぜそうなるのかを後から説明するのが科学でした。 だったら科学は学者たちの自己満足に過ぎない役立たずだったか というとそうではありません。腐敗を遅らせる仕組みを論理的に 説明できるようになって初めてそのメカニズムを応用することが できるようになったのです。 その応用によってこそ初めて人間 は経験に頼らず思考することで腐敗に打ち勝つ方法を考案できる ようになったのでした── スープに酸性のレモン果汁を含み、 トッピングに長期保存に向くようコンフィした鶏のチャーシュー 、塩漬けの梅干し、水に活けてまだ生きたままの大葉を使ったこ の一杯のラーメンにはわりと壮大な食糧保存の歴史の成果が詰ま っているんだなぁなんてことを食べ終わってから感じちゃいまし た。 | |||||||||||||
(1人分) | |||||||||||||
・袋入りラーメン(塩味) ・鶏むね肉 ・梅干し ・大葉 ・黒ごま [ラーメンの茹で汁パート] ・レモン果汁 ・水 [鶏の下茹でパート] ・水 ・塩 |
1袋 50g 1粒 1枚 少々 10g(小匙2) パッケージに記載の 量−10g 200g 6g |
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